事業を進めるうえで外注費はよく発生する費用です。
人を雇うほどではないものの手伝ってもらいたい場合や、専門的な作業を依頼する場合など、外注という形は非常に使い勝手がよいものです。
一方で、外注費は税務調査で重点的に確認されやすい項目のひとつでもあります。
金額が大きくなりやすく、かつ内容によっては「本当に外注なのか?」という論点が生じやすいためです。
外注費が多い事業者の方が、きちんと整理しておいた方がよい点について紹介します。
外注費は調査で確認されやすい
税務調査では、売上だけでなく経費の内容も確認されます。
その中でも外注費はほぼ確実にチェック対象になります。
理由としては、
- 金額が大きくなりやすい
- 内容が見えにくいことがある
- 人件費との線引きがあいまいになりやすい
といった点があります。
調査官としては「この外注費は本当に事業に必要な支出なのか」「実態は給与ではないか」といった点を確認することで、経費の過大計上や源泉徴収漏れがないかを見ていきます。
業種によっては外注を多く使うこともあるでしょうし、外注費が多いこと自体が問題となるわけではありません。重要なのは、その内容を説明できる状態になっているかどうかです。
確認されやすいポイント
外注費について見られやすい具体的なポイントはいくつかあります。
1 売上との対応関係
売上とひもづいて発生するような外注費の場合、どの売上と外注費が対応しているかは確認しておく必要があります。
売上があまり動いていないのに外注費だけが大きく増えている場合などは、内容を詳しく確認されることがあります。
請求書も単に「一式」などの記載ですと、それを見た第三者には具体的な内容がわかりませんので、業務内容のメモなど、どういう作業を依頼したのかがわかる資料は残しておきたいところです。
2 相手先
外注先が誰なのかも重要なポイントです。
- 実在する相手か
- 事業として活動している相手か
- 身内や関係者ではないか
といった点が確認されやすいところです。
特に個人への外注が多い場合は、業務内容や契約関係があいまいだと「本当に外注か」という疑問を持たれやすくなります。
3 決済手段
支払い方法もチェックされやすいところです。
- 現金手渡しになっていないか
- 振込記録と会計データが一致しているか
現金払いがすべて問題というわけではありませんが、金額が大きい外注費が現金払いとなると疑いの目で見られる可能性はあるでしょう。
銀行振込など記録が残る形にしておく方が説明はしやすいですし、少なくとも支払いの事実は明らかになります。
そもそも給与ではないか?
外注費については、「実態が給与ではないか」という点も確認される可能性があります。
形式上は外注としていても、
- 勤務時間が決まっている
- 仕事の進め方を細かく指示している
- 他の仕事を自由に受けられない
- ほぼ専属のような関係になっている
といった状況があると、「外注ではなく従業員に近いのではないか」と判断される可能性があります。
その場合には給料として源泉徴収すべきかや消費税の取扱いなどが問題となる可能性があり、さらには社会保険料の負担などにも影響が広がることがあります。
外注か給与かは、名称ではなく実態で判断されるものです。
外注を活用すること自体は、事業を進めるうえで必要なものですが、その内容を後から確認された時にきちんと説明できる状態にしておくことが大切です。
【編集後記】
午前中は税理士業、午後から外出して子どもと麻布台ヒルズの『ルックバック展』へ。思っていた以上に内容が濃く、かなり心を揺さぶられました。
【1日1新】
麻布台ヒルズ