今日は「どんなものが経費にできますか?」というよくある質問について整理します。
独立すると会社員の方から「なんでも経費にできていいね」と言われることもありますが、そんなことはありません。
税務署での実務や現場で感じてきたことを整理してお伝えしたいと思います。
業務のためという前提
経費として認められるためには、まず業務のために使ったお金であることが必要です。
この前提が満たされているかどうかを確認する必要があります。
個人で事業をしている方の場合、事業にも使っているという理由だけでは全額経費にはできず、按分が必要になることもありますし、そもそも経費として認められないこともあり得ます。
目を付けられやすい支出
税務調査で目を付けられやすい支出には、おおむね次のようなものです。
● 架空の支出が疑われるもの
支払いの事実が確認できないものです。レシートがなかったり、支払先が不明なケースが該当します。
● 私的な支出
家族との食事、旅行、服などです。
社長個人としては「仕事にも役立つ」と感じていても、客観的に見て業務との関連性が説明できないものは会社の経費にはできません。
社長個人の昼食なども、食事そのものは働いている・いないに関わらず必要なものですから、全社員向けの福利厚生といった理由がなければ経費にはできません。
● 根拠が説明できない
最も多いのがこのケースです。
支出自体は事業用でも、領収書や記録がなければ経費性を説明できません。
調査で指摘されないために
特別なことをする必要はなく、基本を整えておくだけで十分です。
● 証憑を残す
レシートや請求書は必ず残しましょう。
● 簡単なメモを残す
特に飲食に使った支出は「誰と」「何のために」があるだけで、調査時の説明が楽になります。
過去のことは忘れてしまうのが通常ですから、日頃から記録を残しておくことが重要です。
● 事業用と私用を分ける
個人事業主の方の場合は銀行口座やカードを事業用でひとつ持っておくと、整理がしやすくなります。
会社の場合でも、会社の財布と社長個人の財布の区別をしておきましょう。
経費は「業務関連性」「実態」「根拠」の3つをそろえておく必要があります。
いろいろと理由をつけて支出を経費にしたくなるかもしれませんが、後から指摘・否認されると手間も増えます。
節税も重要ですが、日々の仕組みを整えておき、経費とすべきものを漏れなく計上しておくことが重要だと感じています。
【編集後記】
朝から町田へ外出。その後都心へ移動してセミナーを受講後、懇親会に参加。
【1日1新】
- 小田急百貨店町田店