個人で事業を始めたときに税務署へだすもの

個人で事業を始めたら、どんな手続きが必要でしょうか。

もちろん、開業にあたって、許可や認可が必要であればそれらの手続きが必要でしょうし、融資を受けるのであれば、金融機関に相談をして指示された書類を作成、収集して提出する必要があるでしょう。

これらは事業によっても異なるでしょうが、税務署への手続きのことだけにしぼると、事業を開始したらどのような方でもまず提出すべき書類は2つです。

※このほかにも消費税のインボイス発行をしたいという場合や、従業員を雇って給与の支払い等を行う場合には別の書類の提出が必要となりますので、実際の手続きの際には、ご自身の状況に応じて税理士などへご相談ください。

目次

「個人事業の開業・廃業等届出書」

いわゆる「開業届」です。

これを開業の日から1か月以内に住所地等の所轄の税務署に提出する必要があります。

この届出書は開業にあたって融資を受ける際や、個人事業主の方が加入できる小規模企業共済などに加入する際などに、提出の控えを求められるなど、いろいろな場面で必要となる書類です。

提出が遅れても直接的なペナルティなどはありませんが、提出しておかないと急に控えの提出を求められて、開業に伴う手続きに支障がでたりすることも考えられますので、開業をしたら速やかに提出するつもりで頭に入れておかれるとよいかと思います。

「所得税の青色申告承認申請書」

「開業届」と通常はセットで提出した方がよいのが「青色申告の承認申請書」です。

これは義務ではないのですが、青色申告のほうが税金の申告をする際にたくさんのメリットが受けられるため、「開業届」とセットで提出します。

青色申告は、「複式簿記」という仕組みで会計データに事業の収入や経費をきちんと記録し、必要な帳簿を作るという要件があるのですが、青色申告でなくても(白色申告と言われます)帳簿を作成する必要はありますし、会計ソフトを使用すれば、青色申告の要件に適したデータなどが作成できますから、通常は青色申告を選択するほうが良いでしょう。

ただ、この「青色申告の承認申請書」に関しては提出期限があり、新規開業の場合ですと、開業届に記載した開業の日が1月1日~1月15日の場合は、開業した年の3月15日まで。

開業の日が1月16日~12月31日の場合には、開業の日から2か月以内に提出をしないと、青色申告で申告できるのは開業の年の翌年からになってしまいます。

青色申告の適用が開業の翌年になってしまうと、青色申告の特典のひとつである「損失の繰越」※もできません。

※通常、開業初年度は売上が少なく、初期投資がかさみ、赤字になることも多いかと思いますが、青色申告であれば赤字を翌年に繰り越し、翌年以降3年間の黒字と相殺ができます。

もし青色申告で確定申告をしようとお考えであれば、こちらも「開業届」と同時のタイミングで提出いただくのがよいかと思います。

紙で提出するのはおすすめしません

これらの届出書、申請書に限った話ではありませんが、以前は、税務署に紙で書類を提出する際に、控えを同時に提示すれば、控えにも収受印というスタンプを押してもらうことができました。

スタンプが押されていることが、その書類を「税務署にこの日提出した」というしるしでしたが、この控えにスタンプを押すことが、令和7年1月から行われなくなりました。

これにより書類を紙で税務署に提出した場合には、その提出の事実を対外的に示すことができなくなってしまいました。

「開業届」については、その控えを各所で求められることもありますので、その際に無用な手間とならないように、提出はe-Taxでされることをおすすめします(e-Taxであれば「受信通知」という、届出データがいつ出されたか確認できる通知が発行されます)。

※e-Taxを初めて利用する場合には「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」が必要となります。

【編集後記】

役所関係の手続き後、打ち合わせ、名刺発注等の事務作業

【1日1新】

  • 名刺ネット注文(アスクル)            

名刺をネットで注文してみました。簡単にできました。勝手がわかったので、デザインを変えたものも今度注文してみようと思います。

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