事業を始める際、「個人で始めるか」「法人を設立するか」という選択はよく話題になります。
設立登記などの事務や費用負担、税率や信用力といった観点もありますが、今日はより現実的な「設立以外の事務的な話」という点についてです。
事業が赤字の場合の納税
- 個人 不要(他に所得があれば必要)
- 法人 要(赤字であっても最低7万円程度)
個人事業の場合、事業所得が赤字であれば、原則として所得税はかかりません。
他に給与所得などがあれば、確定申告は必要になりますし、税金もそれぞれの所得を一定のルールで合算するなどして税額を計算します。
事業所得のみで赤字の場合に青色申告で損失を繰り越すには期限内に申告が必要ですが、税額自体は発生しません。
一方、法人の場合は異なります。
法人税自体は赤字であれば発生しませんが、法人住民税の均等割と呼ばれる税金がかかります。
資本金1,000万円以下など一定規模の場合でも、多くの自治体で年額7万円程度は負担が生じます。
法人の場合は「赤字だから税金ゼロ」というわけにはいきません。
申告手続き
- 個人 税務署にのみ(市役所などへは自動で情報が行く)
- 法人 税務署・都税事務所・市役所(23区内などは税務署と都税事務所)
個人事業主は、基本的に確定申告を税務署に行えば完結します(消費税の納税を行う場合は消費税の申告も税務署へ行います)。
住民税などは申告内容が自治体へ連携される仕組みになっているため、別途申告書を提出する必要は通常ありません。
これに対し法人は、
- 税務署(法人税・消費税)
- 都道府県税事務所(法人事業税・法人住民税)
- 市町村(法人住民税)
と、複数の提出先が存在します。
東京都23区内の場合は市町村分が都税事務所に一本化されていますが、それでも税務署とは別です。
提出先が増えるということは、管理や作成の負担も増えるということです。
法人の場合に税理士へ申告手続きを依頼することが増える要因でもあります。
設立時の各種届出も法人の方が多くなります。
社会保険
- 個人 国民健康保険・国民年金
- 法人 健康保険・厚生年金
個人事業主は、原則として国民健康保険と国民年金に加入します。
国民健康保険は世帯単位で計算されるため、家族が多いと負担が大きくなることがあります。
法人の場合、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が必要です。
会社負担分も発生するため、トータルの負担額は増える傾向にあります。
ただし、将来の年金給付という観点では厚生年金の方が手厚い仕組みです。
どちらが正解という話ではなく、「自分の事業規模・収入の見込み」などに合っているかどうかが重要だと思います。
事業を始める前の段階で、税率だけでなく、こうした手続き面の違いもご自身の状況を踏まえて整理しておかれると良いと思います。
一般的な内容をまとめていますので、個別の状況については直接専門家へご相談いただくようにお願いします。
【編集後記】
今日も看病しつつ、仕事を。ようやく出口が見えてきたような。
【1日1新】
豆を挽いてコーヒーを淹れる
新しく買ったコーヒーメーカーの、豆を挽く音がかなり大きくて驚きました・・・