商品を販売もしくはサービスを提供したことに関する代金は、商品の販売やサービス提供後しばらくたってから、銀行振込みで受け取るということも多いでしょう。
後でお金を受け取る権利のことを会計ソフトなどでは「売掛金」と呼びます。
※法律的な用語では「債権」ともいいます。
この「売掛金」、お互いがあらかじめ取り決めた期限までに支払いを受けるのが理想ですが、取引先の経営状況の悪化などによって、長期にわたって支払いを受けられないということがあるかも知れません。
本日は、そのような場合の税務上の処理についてご紹介します。
売上はすでに計上済み
そもそもの話として、後払いで代金を受け取る約束をしていても、商品を販売もしくはサービスの提供が完了していれば、それに係る売上は商品販売またはサービス提供の完了時点で計上しておくことが原則であるという点です。
言い換えると代金を受け取っていようがいまいが、その商品販売、サービス提供の完了時点で売上を計上しなければいけないということです。
既に売上が計上されているにもかかわらず、代金が回収出来ないという状況になってしまったら、売上だけが先に計上されてしまっているわけですから、実際に代金は受け取れていないにもかかわらず、何もしないまま決算を迎えればその売上にかかる税金が発生します。
貸倒損失の計上は厳格なルールがある
代金を受け取っていないにもかかわらず、税金だけが発生するなんてひどい話だと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
すぐにでもその受け取れない代金分の損失(「貸倒損失」と呼びます)を計上できれば、当初に計上した売上と同額の損失が計上されることになり、プラスマイナスゼロとなって、税金も発生しないということになるのですが、この貸倒損失の計上には厳しいルールがあります。
具体例を挙げると、
- その代金を受け取る権利(債権)が法律上なくなったということが明確にわかること(法律上の貸倒れ)
- その代金にかかる担保を処分した後の全額が、その資産状況や支払能力からみて回収不能となった場合(事実上の貸倒れ)
- 相手先との取引停止後、1年以上経過した場合等(形式上の貸倒れ)
売上代金を受け取ることができないという状況が発生したとしても、上記であげたもののどれかに該当しない場合には、税金の計算上損失として処理することはできません(正確には上記は「通達」というもので定められたルールなので、納税者を縛るものではありませんが、実務上これに従っていない貸倒損失の計上は税務調査で認められないリスクがあります)。
一つ一つを見ていくととても細かいので詳しくは触れません(個別具体的な状況にもよりますので、実際に検討される際には直接税理士にご相談いただくことをおすすめします)が、単に代金を払ってもらえなかったからといって、税金の計算上その売上を簡単になかったことにはできないということだけはご認識いただければと思います。
催促し記録を残す
じゃあ実際に売上代金を支払ってもらえないという事態が発生してしまったら、どうするのか。
まずは何よりも取引先に催促しましょう。催促するなんて気が引けるかもしれませんが、催促して支払ってもらえれば何も問題はなくなります。
先に挙げた売上代金が回収できない際の貸倒損失計上の要件を満たすという意味でも、催促した記録を残すことも重要です。
また、そもそもの契約の際に代金の未回収が発生しないような支払い方法を取り決めておくことも重要かもしれません。
商品を販売もしくはサービス提供を完了してもその代金が回収できない場合、利益調整を防ぐという観点で、損失として計上する際には、税金の計算上ルールがあるということを頭の片隅に置いていただければと思います。
【編集後記】
午前中は外出。午後からは家の模様替えをしながらいらないモノの整理をしました。
【1日1新】
- 豚の角煮
豚の角煮を作ってみました。見た目いい感じにできましたし、味も満足でした。