アクティブ投資信託(ファンド)をおすすめできない理由

資産運用の中でも一般的な投資信託(投信)。
低額から分散投資ができ、売買や管理の手間もかからない便利な商品です。
その中で、私は常々インデックス投信(インデックスファンドともいいます)を推しています。

銀行員や国税職員として、長くお金に関する仕事に携わってきましたが、今もその考えは変わりません。

金融機関と取引があると、投資信託のセールスを受けることがあるかもしれません。
その際、おそらくインデックス投信が積極的に勧められることは少ないでしょう。
なぜなら、金融機関にとって「おいしい商品」ではないからです。

目次

金融機関にとって“良い商品”とは?

単純で、金融機関が儲かる商品です。

インデックス投信は購入時・保有時ともに手数料が低いため、金融機関側の利益があまり大きくありません。

これに対して、アクティブ投資信託は手数料が高めです。
ものによっては、購入時に3%以上の手数料を取るものもあります。

100万円を投資した場合、最初に3%(=3万円)が引かれるのは、かなり重いコストです。
インデックス投信の期待収益率は理論上年間5%程度とも言われています。
※実際のリターンは指数や期間、為替、手数料等によって変わるため、「あくまで目安」です。

にもかかわらず最初に3%が差し引かれるわけですから、よほど値上がりが期待できる商品でなければ割に合いません。

しかし実際には、そんなアクティブ投資信託は非常に少ないのが現実です。

そもそもアクティブ投資信託とは?

アクティブ投資信託とは、市場平均(インデックス)を上回る成果を目指し、ファンドマネージャーが銘柄選定や売買判断を積極的に行う投資信託のことです。

しかしその分、

  • 手数料は高い
  • 成績のブレが大きい
  • 長期で勝ち続けるのは難しい

という特徴があります。

過去のデータからも、インデックス投信を上回る収益を長期間上げ続けるアクティブファンドはほとんどないと言われています。

一部には優秀なファンドもありますが、それを事前に見抜くのは極めて困難です。

たまに日経新聞などで「資金流入額の多い投信ランキング」が掲載されますが、
オルカンやS&P500などのインデックス投信が上位に来る一方で、アクティブ投信が1位になることもあります。

もちろん、すべて比較して納得した上で購入しているなら良いでしょう。
しかし、そうでない場合は、一度立ち止まって“本当に自分にとって良い商品か”を考えてみることをおすすめします。

勧めている相手に悪意があるわけではありません。
金融機関の職員はサラリーマンとして組織の論理で動いているわけで、それ自体は責められません(私は自分が良いと思えない商品を勧める気になれず、営業成績は悪かったです・・・)。
だからこそ、購入者側が自分の資産を守るために賢くなる必要があります。

金融機関と融資で付き合いがあるので協力しないといけないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。その場合も是々非々で検討して、意向を伝えましょう。

NISA対象から外れるアクティブ投信もある

また、アクティブ投資信託の中にはNISAの積立投資枠の対象外のものもあります。

NISAの対象となっているのは、「長期・積立・分散」に適したファンド。
税制優遇が受けられないのは大きなデメリットで、売却益に対して約20%の税金がかかります。

例えば、利益が100万円出た場合は、20万円が税金として引かれます。

私は、「長期・分散・低コスト」が資産運用の基本だと考えています。
※積立は必須要件ではないと思いますが、結果的に資産形成に適することは確かです。

アクティブ投資信託を勧められた場合は、「本当に自分にとって良い商品なのか?」ぜひ一度、冷静に考えてみてください。

【編集後記】

オフで地域のお祭りへ行きました。人が多かったです。

【1日1新】

  • 籠屋ブルワリー クラフトビール 華休

久しぶりにお酒を飲みました。とても飲みやすかったです。

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