独立初年度の消費税申告

独立して事業を始めた場合、まず検討が必要になるのが「インボイス登録をするかどうか」という点です。
行う事業の内容や、取引先の状況によって判断は変わるため、一概に「登録すべき」とは言えません。

インボイス登録は義務ではありません。
原則として、独立したばかりの1年目と2年目は消費税を納める必要はありません。

ただし、

  • 開業してすぐに売上が大きくなった場合
  • 自分から「消費税を納めます」という届出を出した場合

などには、1年目や2年目でも消費税の申告が必要になるケースがあります。

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インボイス登録した場合

独立初年度からインボイス登録をすると、売上の大小にかかわらず、その年から消費税の申告と納税が必要になります。

個人事業主の場合、消費税の申告期限は翌年3月31日で、所得税の確定申告より少しだけ後です。
法人の場合は、決算日から2か月以内に申告することになります。

消費税は、「売上のときにもらった消費税 - 仕入や経費で払った消費税」の差額を納める仕組みです。

理屈は単純ですが、実際に正確な金額を計算するのはかなり大変です。

「2割特例」

インボイス登録により新たに消費税の申告が必要になった方のために、「2割特例」という制度があります。

これは、売上にかかる消費税の2割を納めればよいという簡便な制度で、特別な届出は不要です。

この制度は、2023年10月から2026年9月までの期間を含む申告分について使うことができます。
個人事業主であれば、2023年分~2026年分の申告が対象になります。

このブログの執筆時点の税制改正大綱では、2027年以降は「3割特例」に移行して存続する方向性が示されています。
ただし、これは今後の法改正によりますので、実際に申告する際には最新の情報を必ず確認いただくようお願いします。

「2割特例」を使わない方が良いケース

2割特例は簡単で、売上規模がそれほど大きくない方であれば、実際の計算よりも納税額が少なくなることも多いです。そのため、「とりあえず2割特例でいいや」と申告してしまう方も少なくないかもしれません。

ただ、独立初年度は、

  • 設備をそろえたり
  • 備品を買ったり

と、支出が多くなりがちです。

その場合、売上でもらった消費税より、支払った消費税の方が多くなることもあります。
このケースでは、通常の計算方法で申告すれば、消費税が戻ってくる(還付される)可能性があります。

2割特例をつかって申告してしまうと還付は受けられず、後から「やっぱり原則的な計算にすればよかった」と気づいても、やり直すことはできません。

独立初年度は、

  • インボイス登録するかどうか
  • 2割特例を使うかどうか

この判断だけでも、数十万円単位で結果が変わることがあります。

特に、開業初年度で経費が多い場合は、何も考えずに2割特例を選んでしまうと損になることもあります。

消費税は選択肢が多く、仕組みも複雑です。
どうすればいいのかよくわからない場合には税理士に相談することをおすすめします。

※本ブログは一般的な制度の説明です。実際の取扱いは個々の状況によって異なりますので、個別の判断は専門家にご相談ください。

【編集後記】
資料づくりの後に外出して打ち合わせ。その後、償却資産税関連の事前準備。

【1日1新】
たらのムニエル

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