独立にはお金が必要
独立するに当たってはお金が必要です。今までサラリーマンとして働いていた自分は、会社を辞めたので当面はお金が入ってきません。また、事業を開始した後でも、すぐにサラリーマンの時と同じぐらいの収入が得られるわけではないでしょう。
なので当面の生活のためのお金が必要です。そのための方法としては二つ考えられます。
- お金を借りる(融資を受ける)
- お金をためておく
基本的には融資を受けるといっても銀行は事業のためとか何か決まった目的のあるお金は貸してくれます(審査の上で)が、生活費を貸してくださいといっても貸してくれません。なので生活費は一定額を貯めておいて、事業のために創業融資でお金を借りるというのがよいのではないかと思います。
資金使途
資金使途というものを銀行はとても気にします。
例えば住宅ローンは一番身近なお金を借りる行為だと思います。銀行は住宅を買うために融資をしてくれます。しかもとても低い金利で。
しかし借りてきたお金を住宅を買わずに他に使ってしまったらどうでしょうか。普通そんなことはあまりありませんが、もし、そういうことがあって銀行にばれたらどうなるでしょう。
お金を借りるときは長期間で返済をしていきます。住宅ローンの場合は通常35年、最近は50年で借りられる商品もあるそうです(長すぎる!)。しかし本来の資金の使い道に使っていないことが判明した場合には期限の利益(35年だったら35年間決められた約束で返済していくこと。急に全額返してくださいと銀行から言われない権利)がなくなってしまい、銀行は問答無用で契約違反として全額の返済をお客さんに求められることになっています。おそらくどの銀行との契約でもそうだと思います。
資金使途が自由なローンというのも商品として用意はされていますが、通常あまりなじみはなく、金利も住宅ローンよりも高いし、返済の期間も短くなります。
銀行以外(消費者金融等)で借りることは金利もかなり高くなるのでおすすめできません。
銀行の審査とは
銀行の審査とはつまり、ちゃんとお金を返してくれる人かどうかを見られるということです。
ここでも住宅ローンで言えば、サラリーマンであれば源泉徴収票をチェックされ、勤務先の安定度や収入金額を基に審査されます。既存の借り入れなどの延滞がないかなどもチェックされ、もし延滞があったりすると借りられないこともありますが、住宅ローンの審査自体は一番機械的で簡単なので、金融機関によっては数日で融資可能と返答がきます。
これが事業のためにお金を借りるとなるとそうはいきません。すでに事業を営んでいれば3年間分の決算書や、納税証明書など、事業の内容や資金状況のチェック。そのほかに個人の生活用も含めて資産がどのくらいあるのかなどもチェックされます。
独立となるとそもそも過去の実績がありませんので、創業・事業計画書といったものを作成することが求められるわけです。
でも独立した後どうなるかなんて将来のことは誰にもわからないわけです。そうなると銀行は返済されない可能性があるなら貸したくないとなります。
なので創業時の融資や中小企業の融資には日本政策金融公庫(一般の金融機関でできない融資をする金融機関)や信用保証協会を利用する(借り入れの窓口は一般の銀行や信用金庫)ということになります。
政策金融公庫はそもそも中小企業支援が目的の金融機関なので、積極的に創業融資の相談にも乗ってくれるでしょうし、信用保証協会は銀行のリスクを一部に限定する(融資したお金が返済されないときに保証協会がその一部を補填する。借り入れ時に保証料を支払う必要があります)機能があるので、これらを利用することが創業時の融資を受けるための一番良い方法でしょう。
借り入れは悪ではない
サラリーマンをしていると住宅ローン以外でお金を借りるのはよくないことといった感覚がある方も多いと思います。私もそうでした。しかし今回独立して開業するに当たって創業時の融資を利用しようと考えています。
独立して開業するまでには、時間がかかりますし、一定の収入を得られるようになるまでにはさらに時間を要するでしょう。もちろんそれが少しでも早くできるように努力はしますが、資金的な余裕はあったほうがいいと思っています。
本当に苦しくなってから相談しても銀行はお金を貸してくれません。お金が必要でないぐらい(一定の余裕がある)の時こそ先に借りておくべきというのは創業時に限らず事業運営をする個人や会社であれば必要な考え方だと思います。
今は一時期に比べれば少し金利も上がり始めましたが、それでもかなり低いのは間違いのないと思います。また創業時には各自治体の支援制度などを利用すれば金利や信用保証料の補助などを受けることができる場合もあります。
そもそも支払う利息は後で、税金の計算上費用となります(元金の返済は費用にはなりません)。なので税金を減らす効果もあります。なので実質的な金利はさらに低いと考えることができます。
借り入れも有効に使って、よいスタートにつなげたいと考えています。